もどかしかったんだ。

僕と君とを遮る数々の障害・壁。

愛に障害はつきものだとは言うが、そんなの糞食らえだ。

この壁さえ壊してしまえば僕たちはいつも一緒なんだ。

君の声、姿、匂い、全てを近くに感じていたかったんだ。

ダカラ ボクハ コノカベヲ コワシタ




「で、言いたいことはそれだけ?」

「あ、はい。」

「彼女は?」

「あ、怖くて実家に帰ったそうです。」

「赤の他人にこんなことされたら堪んないわな。」

「あ、はい。」

「とりあえず、修理代とか諸々請求するから、覚悟しといて。」

「あ、すいませんでした、大家さん。」