朝、ずぶ濡れにながら僕は帰宅した。

普段は雨に濡れるのは嫌いなのだが、今日は違った。

自分の酒臭さもヤニ臭さも全て洗い流され、ついでに自分の心まで洗い流された気がしたからだ。

僕はそのまま服を着替え、彼女のいるベッドへと入った。

これだけ物音をたてていると必ず起きてきた彼女なのだが、今朝は違った。

眠る前に彼女の顔を覗き込むと、彼女は声を殺して泣き続けていた。

夜、目が覚めると僕はひとりぼっちだった。

今朝から降り出した雨はやみそうにない。